2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルキン化合物を合成素子とする複素環化合物の触媒的合成法の開発
Project/Area Number |
21790024
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
齊藤 亜紀夫 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (10339103)
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Keywords | アルキン / 複素環 / 環化反応 / メタセシス / フラン / キノリン / パラジウム / ヘキサフルオロイソプロパノール |
Research Abstract |
申請者は昨年度に続き、アルキン化合物の環化反応やヘテロ-エンインメタセシス反応などに注目して、触媒的な複素環化合物の合成法について検討してきた。昨年度は、N-プロパルギルアミド誘導体からのオキサゾール合成法として、パラジウム触媒を用いる環化/アリル化反応や超原子価ヨウ素試薬を用いた酸化的な環化反応を見出した。また、アルキン-カルボニルメタセシス反応による共役エノン合成法を利用し、o-アルキニルアニリン誘導体とアルデヒド化合物から1段階で2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オンが得られることを明らかにした。 これらの知見に基に、本年度は、パラジウムを触媒とする2-プロパルギル-1,3-ジケトン誘導体の環化/アリル化反応を見出し、側鎖に不飽和結合部位を有するフランが得られることを明らかにした。また、後者の反応の展開として、o-アルキニルアニリン誘導体とアルデヒド、アミンの3成分混合型のアルキン-イミンメタセシス反応について検討し、溶媒にヘキサフルオロイソプロパノールを用いることにより、触媒を用いることなく2,3-ジヒドロ-4-イミノキノリンが1段階で得られることが明らかとした。 以上、本検討結果は、アルキン化合物の分子内反応を基盤とする新規複素環合成であり、有機合成化学上、興味深い知見を与えたものと考えている。
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Research Products
(9 results)