2010 Fiscal Year Annual Research Report
N-アリールオキシインドールをキラルな合成素子とする不斉合成法の開発
Project/Area Number |
21790026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中崎 敦夫 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00366428)
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Keywords | オキシインドール / 多環式含窒素天然物 / 軸不斉 / 不斉合成 / 生物活性 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに合成方法を確立した二種類のキラルなN-アリールイサチンを基質とする各種分子変換反応を検討することで、本手法の不斉合成法としての可能性を明らかにすることとした。具体的には、(1)キラルなN-アリールイサチンに対する求核付加反応の検討、(2)下部芳香環の切断、の二点について系統的に検討した。 まず(1)については、下部芳香環の両オルト位に異なる置換基を持つ二置換N-アリールイサチンに対して有機リチウム反応剤を作用させたところ、収率良くかつ、高いジアステレオ選択性(最高95:5以上)で付加体を得ることができた。この選択性は、下部芳香環のオルト置換基上の第3級水酸基の保護基や有機金属反応剤の対カチオンの種類によって大幅に変化することを見い出した。すなわち、選択性向上を狙って嵩高い保護基を導入したところ、C3位のジアステレオ選択性が予想に反して低下することが分かった。また、有機マグネシウム反応剤では低選択性であった。 一方、一置換N-アリールイサチン系でも、上記と同様のジアステレオ選択性及び収率にて付加体を得ることに成功した。なお、得られた生成物の立体化学をX線結晶構造解析で確認したところ、予想通り、下部芳香環の置換基の嵩低い方から求核剤が接近していることが分かった。 (2)については現在も検討途中であるが、下部芳香環の酸化を容易にしたフェノール誘導体に変換し、酸化剤を作用させることで、下部芳香環が除去できることを確認している。 以上本申請者らは、アミドの軸不斉に着目したオキシインドールの新規な立体制御法を開発し、端緒となる結果を得ることができた。今後、本計画で実現できなかった光学活性なオキシインドール合成と、本方法論を活用した多環式含窒素天然物の合成に展開する計画である。
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[Presentation] Total Synthesis of Norzoanthamine2010
Author(s)
Daisuke Yamashita, Yoshihisa Murata, Naotsuka Hikage, Yohei Minasako, Ken-ichi Takao, Atsuo Nakazaki Takahiro Suzuki, Susumu Kobayashi
Organizer
2010 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (PACIFICHEM 2010)
Place of Presentation
Hawaii Convention Center (Honolulu, USA)
Year and Date
20101215-20101220
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[Presentation] Synthetic Studies on Biologically Active Natural Products2010
Author(s)
Toshio Nishikawa, Kumi Sugino, Atsuo Nakazaki, Keiko Higuchi, Masaatsu Adachi Nopporn Thasana, Minoru Isobe
Organizer
The 9th NRCT-JSPS Joint Seminar 2010 "Natural Medicine Research for the Next Decade : New Challenges and Future Collaboration"
Place of Presentation
Chulalongkorn University (Bangkok, Thailand)
Year and Date
20101208-20101209
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[Presentation] AngiomotinとAngiostatin及びRoxithromycinとの結合領域及び結合様式の解明2010
Author(s)
高草木香織, 鈴木愛こ, 高草木洋一, 渡辺まどか, 松本勇記, 戸井崎絢, 鈴木孝洋, 中崎敦夫, 菅原二三男, 小林進, 坂口謙吾
Organizer
BMB2010
Place of Presentation
神戸ポートアイランド(兵庫県)
Year and Date
20101207-20101210
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[Presentation] Total Synthesis of (-)-Diversifolin2010
Author(s)
Kazuma Tsuboi, Tomoaki Nakamura, Takahiro Suzuki, Atsuo Nakazaki, Susumu Kobayashi
Organizer
24th European Colloquium on Heterocyclic Chemistry
Place of Presentation
Vienna University of Technology, Austria
Year and Date
20100823-20100827
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