2009 Fiscal Year Annual Research Report
マンニッヒ型反応による、新規2、2-ジ置換インドリン-3-オンの合成とその展開
Project/Area Number |
21790027
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
樋口 和宏 Meiji Pharmaceutical University, 薬学部, 講師 (60360195)
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Keywords | マンニッヒ型反応 / ジ置換インドリン-3-オン / イサチシンA / イミニウム |
Research Abstract |
最近我々が見出した、2-ヒドロキシインドリン-3-オンから生成するアシルイミニウムへのマンニッヒ型反応による、新規2,2-ジ置換インドリン-3-オンの合成法を基盤として、生物活性天然物の合成研究への展開を検討した。Isatisine Aは2007年にChenらにより、アブラナ科植物中の抗HIV活性を有する化合物探索からヒットした天然物である。本植物の乾燥根は漢方薬であり、古くからインフルエンザや肺炎・おたふく風邪・肝炎などのウイルス性疾患に処方されてきた。この様に本天然物は幅広い活性スペクトルを持ちながら、その詳細なデータの報告はない。そこで我々はIsatisine Aの活性解明を目的に本天然物が、2,2-ジ置換インドリン-3-オン構造を含むことに着目し、先に開発した方法論により効率的合成ができるものと考えた。平成21年度はIsatisine Aの合成に必要な基礎データを収集しながら、全合成への展開を行った。(1)「鍵化合物となる2-インドリル-2-ヒドロキシインドリン-3-オンの合成」まず、オルトニトロトルエンを出発物質としボスホニウム塩を得た。一方、インドールの3位をホルミル化後、インドール窒素をベンゼンスルホニル基で保護し、先のホスホニウム塩よりイリドを発生させWittig反応を行った。その後、ニトロ基の還元に続く環化反応でビスインドールとし、生じたインドール窒素をパラメトキシベンジル(PMB)基で保護した。PMBが置換したインドールのみがm-CPBAにより選択的に酸化され、2-インドリル-2-ヒドロキシインドリン-3-オンを合成した。(2)「マンニッヒ型反応による求核種の導入」得られた2-ヒドロキシインドリン-3-オンには、2位に嵩高い置換基があるため、本マンニッヒ型反応により速やかに求核種が導入できるかが第一の課題であったが、首尾よく様々な置換基が導入できることを見出した。(3)「Isatisine Aの全合成研究」上記マンニッヒ型反応成績体を用い、C 環に相当する5員環ラクタムの形成を行ったところ、縮合するカルボニル基の付け根がsp3炭素の時に環化反応が進行することを見出した。
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Research Products
(3 results)