2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790028
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
濱本 博三 Kinki University, 薬学部, 講師 (40365896)
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Keywords | 合成化学 / 高分子構造 ・ 物性 / 高分子合成 / 触媒 ・ 化学プロセス / 有機化学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、優れた医薬品合成法や製造プロセスを構築する上で有用な固相反応系を開発するために、各種イオン性高分子ゲルの合成を行い、その特性や機能性に着目した反応系の設計を行い、新しい発想に基づいた有機反応システムを構築することにある。以下に平成21年度における本研究の成果を示す。 1) 本研究の研究実施計画に従い、種々のイオン性高分子ゲル合成し、それぞれのイオン性環境の特性の評価を行う目的で、四級アンモニウム塩を持つポリアクリルアミド高分子ゲル、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩を有する各種高分子ゲルの合成を試み、その物性の評 (FT-IR,FT-NMR,SEM) を行った。その結果、四級アンモニウム塩を持つポリアクリルアミド高分子とイミダゾリウム塩型高分子ゲルの有効な合成法を確立し、さらに、架橋剤の導入率と高分子が持つアルキル基の長さにより、そのイオン性環境の制御が可能になることを明らかにした。 2) バナジウム触媒やルテニウム触媒を用いる酸化反応は、医薬品合成において有用な反応が多く、イオン液体中において優れた触媒活性を示すことが明らかにされている。そこで、種々のルテニウム試薬やバナジウム試薬を用い、固相触媒の調整を試みた。その結果、触媒種として過ルテニウム酸塩、硫酸バナジウムを用いた場合に、安定な固相触媒を与えることを見出した。さらに、それぞれの固相触媒は、分子状酸素を用いる酸化反応およびアリルアルコール類のエポキシ化反応に有効であり、その触媒の回収・再利用が可能であった。なお、イオン環境を持たない固相触媒との比較実験、および、イオン種の最適化の検討より、イオン環境がその触媒活性発現に大きく影響していることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)