2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノFIAシステムを用いた新規リアルタイムTRAP測定法の開発とその応用研究
Project/Area Number |
21790037
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
和田 光弘 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40295093)
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Keywords | TRAP / ナノFIA / マイクロダイアリシス法 / 抗酸化 |
Research Abstract |
具体的内容:今年度は、ミニチュア化したルミノール化学発光FIAシステムを用いて、超微量の試料のTRAP活性を評価すること、及びマイクロダイアリシス法を用いて採取した血液微小透析液の抗酸化能の測定法を検討した。まずFIAシステムでは、キャリヤー溶液中の溶存活性酸素種とルミノールによるバックグラウンド発光を利用し、その発光消去能によりTRAP活性を評価する。試薬であるルミノール濃度及び触媒であるペルオキシダーゼ濃度の最適化により高感度測定が可能となっている。また基礎検討からバックグラウンド発光の基になる活性酸素種はスーパーオキシドアニオンであることを明らかにした。次にラットから血液マイクロダイアリス法により採取した微小透析液を用いてTRAP活性を測定した。測定に必要な試料量は500ナノリットルと超微量であった。ラット尾静脈からアスコルビン酸を注入し、血液の抗酸化能を評価した。その結果、アスコルビン酸注入後数時間は血液中の抗酸化能が維持されていることが分かった。現在この抗酸化活性がアスコルビン酸によるものなのかを、HPLC-UV法を用いて調査中である。この他、抗酸化に関わる酵素活性の測定についても計画している。 意義、重要性:本FIA法は500ナノリットルの試料量による微小透析液中のTRAP活性を測定することが可能であった。このように超微量の試料量による測定が可能になることで、小動物からの経時的な試料採取によるTRAP活性の評価が可能となり、抗酸化剤あるいは動脈硬化治療薬の体内動態と併せて総合的な評価が可能となり、本研究が次の段階に進むことが可能となったと考えている。 次年度は当初の研究計画に則り、酸化ストレス付加実験動物を用いてホモシステインや関連チオール化合物などの動脈硬化危険因子との関連性を評価したい。
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Research Products
(5 results)