2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子増幅法を利用した抗がん剤スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
21790045
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
井上 明 東京理科大学, 薬学部, 助教 (30516406)
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Keywords | DNA結合分子 / 遺伝子増幅 / スクリーニング / 金ナノ粒子 / プライマーダイマー(PDs) / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
化合物のDNA結合性を正確に評価する事は、がんなどの遺伝病の創薬化合物のシーズの探索を行なううえで重要である.研究代表者は、微小なDNA結合性を有する化合物ないしは可逆的に結合する化合物を高感度かつ正確にスクリーニングするための方法論の開発を目的として実験をおこなってきた.本年度は、特に(1)金ナノ粒子を用いたDNA結合分子の可視化評価法の構築(申請書記載事項)と、(2)昨年度に偶然に発見した、2種類のプライマーから作製したプライマーダイマー(PDs)を鋳型としたDNA結合分子の評価システム(申請書記載事項外)の汎用性の検討を行なった. (1)金ナノ粒子を利用したDNA結合分子評価システムでは、DNA結合分子のDAPIを利用して、呈色によりDNA結合分子を評価できるか確認した.DAPIの濃度に依存して、塩による金ナノ粒子の凝集が抑制され、溶液の変化がおこらなかった.これは、DNA結合分子がDNA増幅を阻害したため、残存したプライマーが金ナノ粒子の表面に吸着し、塩による金ナノ粒子の凝集を抑制したためである.以上により、金ナノ粒子と遺伝子増幅法を利用した評価方法は、DNA結合分子の呈色評価法として有用である事が示唆された. (2)昨年度偶然に発見したPDsによるDNA結合分子評価システムの汎用性を立証するために、様々なプライマーを購入しPDsの構築を試みたが、すべて失敗に終わった.原因を探るために、プライマー受託会社の変更(2社)、PCR装置の変更(3社)、dNTPs製造会社の変更(4社)を行なったが、PDsを調製できなかった.さらに、ゲノムDNAを鋳型とした通常の遺伝子増幅を試みたが、PDsと同様に目的遺伝子の増幅が確認できなかった.結果的に1年間、遺伝子増幅関連の実験を行なう事が出来ずに、本研究の新規性の汎用性の確認までには至らなかった.
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Research Products
(1 results)