2009 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素変性症を引き起こすスプライソソーム生成経路の異常とその調節機構の解明
Project/Area Number |
21790056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米田 宏 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 講師 (60431318)
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Keywords | 遺伝子 / シグナル転達 / スプライシング |
Research Abstract |
網膜色素変性症(RP)には様々な原因遺伝子変異が知られており、多くは光受容シグナルに関わる分子群であるが、優性遺伝型RPにおいてpre-mRNAスプライシング因子群に変異が認められている。この因子群はスプライシングを担う酵素である巨大RNA-タンパク質複合体スプライソソームの構成因子であり、全細胞で必須のスプライシング因子の異常がなぜ網膜組織特異的疾患を引き起こすのかは不明である。これまでスプライシング関連原因遺伝子変異をスプライソソーム生成への影響という点で共通の指標で比較する実験系は存在しなかったため、本研究課題ではこれを可能にする実験系を構築することで、各変異のスプライソソーム生成過程への影響を検討することを具体的な目的としている。代表者はルシフェラーゼ酵素断片による酵素活性再構成を利用した分子間相互作用検出系を巨大タンパク質複合体の構成因子に応用することを発案し、本年度は複合体内でのみルシフェラーゼ活性が再構成されるようなスプライシング因子の組み合わせの探索を行った。酵素断片の融合タンパク質発現ベクターに各snRNP構成因子をクローニングした発現ベクターライブラリーを作成して検討したところ、細胞内でルシフェラーゼ活性を再構成する分子間相互作用が見つかった。さらに密度勾配遠心分画により複合体中でのみ発光するものを探索し、現在までに2種類の複合体特異的な発光を示す分子セットを同定した。このレポーター遺伝子が含まれる複合体成分を同定したところ、1つはU5 snRNP量を反映するレポーターとなることが明らかとなった。現在このレポーターを用いてスプライソソーム生成経路の調節機構を検討しており、次年度はこの調節機構への各原因遺伝子変異の影響を検討したい。
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Research Products
(4 results)