2010 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫サイトカインPPの活性化機構、及び免疫応答における役割に関する研究
Project/Area Number |
21790063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜本 洋 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (90361609)
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Keywords | カイコ / 自然免疫応答 / サイトカイン / 細菌感染 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
自然免疫応答は病原菌に対する防御に働く応答機構として重要である。これまでの研究から自然免疫だけを有するカイコにおいて、昆虫サイトカイン(以下PP)は、複数の免疫関連因子の発現上昇、及び細菌感染抵抗性に必要であることを明らかにしてきた。当該年度においては、活性化型PPによって発現上昇する様々な免疫応答因子を網羅的な解析によって見いだし、PPはグローバルな免疫因子の制御に重要であることを明らかにした(JBC,2010,285,28635-42)。また、前年度見いだしたβグルカンにより腸管から放出される、PPを活性化因子について精製を行い、最終精製標品を得る条件を見いだした。さらに、歯周病菌のペプチドグリカンは、強いPP活性化活性を有し、かつメラニンの活性化に伴うアポトーシスの誘導を起こすことにより、自然免疫の過剰活性化を引き起こし、カイコを殺傷することを見いだした(JBC,2010,285,33338-47)。さらに、PP活性化を引き起こす、植物由来の成分を複数見いだした。以上の結果は、昆虫での病原菌感染抵抗性における、PPの活性化を中心とした自然免疫活性化経路の重要性を示しており、自然免疫応答における細菌感染に対する宿主の抵抗戦略を明らかにする上で重要な知見である。
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Research Products
(13 results)