2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790065
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 貴 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 助教 (80431948)
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Keywords | DNA損傷応答 / ストレス応答性キナーゼ / ノックアウトマウス / RAssflc |
Research Abstract |
ゲノムDNAは様々な内的・外的要因によって常に損傷の危機に曝されている。軽度のDNA損傷に対しては一連のDNA修復酵素群のはたらきにより細胞の恒常性が維持される。一方、過度のDNA損傷を受けた細胞はアポトーシスをおこし、速やかに排除されることが知られている。ストレス応答性MAPキナーゼであるJNKは紫外線やDNA損傷薬剤を始めとする様々なストレスにより活性化され、その活性化状態の違いにより細胞の生死を規定する分子スイッチである。しかしながらこれら応答因子の生体レベルにおける機能に対する理解は少ない。そこで本研究ではDNA損傷応答因子のRassflc遺伝子破壊マウスを新たに作出し、その生体レベルにおける機能解析を試みた。 Rassflc遺伝子特異的なターゲティングベクターを構築、E14K ES細胞ヘエレクトロポレーション方にて遺伝子導入を行い、相同組換え体クローンを得た。得られたクローンをC57BL/6Jマウスのブラストシストへ注入し、仮親子宮へ移植、キメラマウスを得た。得られたキメラマウスと野生型マウスを交配したところ、相同組換え体クローン由来のES細胞の生殖細胞系列移行が確認出来た為、F1個体同士の交配によりRassflc遺伝子ノックアウト(KO)マウス系統を樹立した。生まれてきたRassflc KOマウスは正常に出産し、生殖能にも異常は見られなかった。しかしながら、8週齢以降において徐々に成長遅延を呈し、高齢マウスにおいては体長・体重の明確な低下が観察された。そこで各臓器を摘出し、湿重量を計測したところ、ほぼ全ての臓器が野生型と比較して小さくなっている事が明らかとなった。本マウスの更なる解析により、Rassflc遺伝子の生体レベルにおける機能が解明できるものと期待される。
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Research Products
(8 results)