2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の運命決定におけるFgfシグナルの役割とその分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
21790075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 歩 京都大学, 薬学研究科, 講師 (40346044)
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Keywords | FGF / 脳・神経 / ゼブラフィッシュ / 終脳 / 中脳 / 小脳 / 細胞増殖 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
1、神経上皮細胞のGABA作動性ニューロンへの分化におけるFgf22の役割の解明 Fgf22の発現解析を行った結果、24時間胚において終脳、中脳後方領域及び耳胞に発現していた。さらに、Fgf22機能阻害胚(MO胚)では前脳の形成不全が観察された。また、Fgf3,8機能阻害胚の前脳におけるFgf22の発現は増加していた。Fgf3,8は前脳においてGABA作動性ニューロンの分化に関与している。従って、Fgf22も前脳におけるGABA作動性ニューロンの分化に関与している可能性が示唆された。 2、中脳・小脳形成過程におけるFgf22の役割の解明 Fgf22 MO胚では前脳の形成不全に加え、中脳後脳境界領域の形成不全及び中脳と小脳の縮小が観察された。そこで、中脳及び小脳領域における細胞増殖活性及び細胞死について検討した結果、受精後16時間のMO胚の中脳において増殖細胞の数が減少していた。さらに、受精後16時間のMO胚の中脳及び小脳領域におけるアポトーシスが顕著に増加しており、Fgf22が神経細胞の生存維持にも関与していることが示された。また、中脳及び小脳領域に発現するotx2、mbx、her5、eng2の発現パターンを検討した結果、これらの遺伝子の発現量が減少していた。従って、Fgf22は中脳と小脳領域の細胞増殖及び細胞の生存維持に関与しているだけでなく、中脳及び小脳に発現している遺伝子の発現を調節することにより、その領域の特性決定にも関与していることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)