2009 Fiscal Year Annual Research Report
SH3P2はユニークな作用機構を持つ細胞運動制御因子である
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21790081
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷村 進 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90343342)
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Keywords | ミオシン / 細胞運動 / ERK-MAPキナーゼ / 細胞膜ラッフリング / リン酸化 / 細胞骨格 / シグナル伝達 / 癌 |
Research Abstract |
本年度は、SH3P2/MyolE複合体形成に着目して解析を進め、以下に示す結果を得た。 1. SH3P2のリン酸化 SH3P2のSer^<202>リン酸化を認識する抗体を作成して解析を進めた結果、HeLa細胞等において、内在性SH3P2は血清等の細胞外刺激に応答してSer^<202>がリン酸化されること、さらにそれはPD184352(MEK阻害剤)、あるいはBI-D1870(p90^<rsk>阻害剤)によって抑制されることを確認した。すなわち、SH3P2はp90^<rsk>によってSer^<202>がリン酸化されることを見出した。 2. Myo1Eのリン酸化 Myo1Eがリン酸化によって機能制御される可能性に着目して解析を進めたところ、細胞外刺激に応答してThr^<935>、及びThr^<1032>がリン酸化されることを見出した。さらに、各種阻害剤を利用した解析により、Thr^<935>のリン酸化にはAktが関与する可能性が示唆された。また、Thr^<935>、あるいはThr^<1032>をAlaに置換した非リン酸化変異体T935A、及びT1032Aを作成して、SH3P2との結合、及び恒常的活性型Raclによる細胞膜ラッブリング形成に及ぼす影響を検討した結果、T1032A変異体はSH3P2との結合が強くなること、T935A、及びT1032A変異体では野生型と比較して細胞膜ラッフリング形成促進効果が低いことを見出した。 3. SH3P2のSH3 Domainに結合する分子の同定 GST pulldown法によってSH3P2と特異的に結合する分子の同定を進めた結果、分子量約230kDaのタンパク質(p230)がSH3P2のSH3 Domainに結合する可能性を見出した。現在、p230について分子同定を進めている。
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Research Products
(6 results)