2010 Fiscal Year Annual Research Report
SH3P2はユニークな作用機構を持つ細胞運動制御因子である
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21790081
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷村 進 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90343342)
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Keywords | ミオシン / 細胞運動 / ERK-MAPキナーゼ / 細胞膜ラッフリング / リン酸化 / 細胞骨格 / シグナル伝達 / がん |
Research Abstract |
前年度の解析により、Myo1Eは細胞外刺激に応答してThr^<935>、及びThr^<1032>がリン酸化されること、Thr^<935>のリン酸化は細胞膜ラッフリング形成に、一方、Thr^<1032>のリン酸化はSH3P2との結合に関与すること、などを見いだした。本年度は、さらにMyo1Eに関して機能解析を進め、以下に示す結果を得た。 1.Myo1Eのリン酸化 Myo1Eは細胞外刺激に応答してThr^<935>、及びThr^<1032>のほかにSer^<736>がリン酸化されることを見いだした。また、Thr^<935>のリン酸化にはPI3K-Akt経路が、Thr^<1032>のリン酸化にはRhoA-ROCK、あるいはPRK2経路が関与することを明らかにした。なお、Ser^<736>に関しては上記経路、およびERK経路に依存しない、他の経路によってリン酸化される可能性が示唆された。(現在、各部位のリン酸化特異的抗体を作成中。) 2.Myo1Eのリン酸化と機能制御 Ser^<736>をAlaに置換した非リン酸化変異体S736Aなど用いながら解析を進めた結果、Ser^<736>のリン酸化はSH3P2との結合には関与しないが、Myo1Eの細胞内局在、細胞膜ラッフリング形成、及びMyo1E分子の安定性に関与することを新たに見いだした。 3.Myo1EのSH3 Domainに結合する分子の同定 GST pull down assayによってMyo1EのSH3 Domainと特異的に結合する分子の同定を進めた結果、分子量約40、および55kDaのタンパク質が結合すること、さらにそれは運動能の高い細胞において認められることを確認した。(現在、各分子同定を進めている。)
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Research Products
(5 results)