2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790088
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
青山 智英子 Dokkyo Medical University, 医学部, 助教 (90420778)
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Keywords | リゾホスホリパーゼD / リゾホスファチジルコリン / リゾホスファチジン酸 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
リゾホスファチジルコリン(LPC)やリゾホスファチジン酸(LPA)は特異的な受容体を介して様々な作用を示す生理活性脂質であり、がんや動脈硬化などの病態にも関わることが知られている。しかしLPCやLPAの産生、代謝のメカニズムにはいまだ不明の点が多い。我々はLPCから正PAを産生する酵素リゾホスホリパーゼD(lysoPLD)に注日し、ラット脳より精製された新規lysoPLDの同定をペプチド・マス・フィンガープリンティング法により試みた。その結果同定された2つの候補タンパク質は三量体Gタンパク質のαqサブユニットとβ1サブユニットであった。αサブユニットにはホスホジエステラーゼモチーフ、βサブユニットには酸性ホスファターゼモチーフが存在し、これらモチーフに変異を導入したタンパク質をFLAG融合タンパク質として発現・精製したところ、αサブユニットの変異体は活性が低下した一方、βサブユニットの変異体では活性が変化せず、lysoPLD活性にはαサブユニットのホスホジエステラーゼモチーフが重要であることが明らかになった。同様にαサブユニットのマグネシウム結合に重要と思われるアミノ酸の変異も活性の低下を引き起こしたことから、lysoPLD活性に重要なのはαサブユニットであると結論した。また他のαサブユニットサブファミリーのFLAG融合タンパク質を発現・精製したところ、Gαi,Gαsにはほとんど活性が見られなかったのに対し、Gα11やGα12にはGαqと同程度の活性が認められたことから、lysoPLD活性はGタンパク質に共通のものではなく、サブファミリー依存的であることが判明した。今後は活性の調節機構についてさらに解析を進める予定である。
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