2009 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞患者血漿中の変性リポタンパク質の修飾構造と相互作用因子の解析
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21790092
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小濱 孝士 Showa University, 薬学部, 助教 (60395647)
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Keywords | 動脈硬化症 / 酸化LDL / プロテオーム / モノクローナル抗体 / 酸化ストレス / リポタンパク質 / LDL |
Research Abstract |
1. 酸化LDLとの相互作用因子の探索(酸化LDL画分の2次元電気泳動解析):健常者から得た末梢血液から血漿を分離し、超遠心法によってLDLを分画した。次に、酸化ホスファチジルコリン(PC)を特異的に認識するモノクローナル抗体(DLH3)を用いて免疫沈降を行った。その後、酸化LDLを含む沈殿画分とその上清(非沈殿画分)に含まれるタンパク質の違いを、2次元電気泳動により解析した。その結果、タンパク質成分はどれも明確なスポットとして確認できたことから、酸化LDLに含まれるタンパク質成分の分析に有効な方法であることが確認できた。さらに、沈殿画分に特異的なスポットが複数確認されたことから、現在、LC-MS/MSによる構造解析を試みている。また一方で、DLH3抗体を用いたWestern blotを行うことにより、沈殿画分に回収されたタンパク質の中から酸化PC修飾を受けたタンパク質を特異的に検出することが可能かどうか検討したが、今のところ明確なスポットは検出できていない。今回は健常者サンプルによる予備検討を行ったが、血漿中に存在する酸化LDLが微量であったことが原因と考えられる。今後は動脈硬化性疾患患者の心臓カテーテル治療から採取されたろ過血液を用いて、同様の解析を進めていく予定である。 2. 動脈硬化性疾患患者の血液中の酸化LDL量の解析:動脈硬化性疾患患者の心臓カテーテル治療から採取されたろ過血液からLDLを分画し、DLH3抗体を用いたサンドイッチELISAにより、酸化LDL量を定量的に解析した。その結果、健常者と比較して3~4倍の範囲で上昇を示すものがいくつか存在したが、健常者と同じレベルのものも多かった。冠動脈疾患患者でも、必ずしも酸化LDLが高値とはならない例も存在する可能性が考えられる。今後、さらに多くのサンプルについて解析を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)