2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790094
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山口 真二 Teikyo University, 薬学部, 准教授 (60398740)
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Keywords | 刻印付け / 記憶 / 行動 / 細胞骨格 / MAP2 |
Research Abstract |
1、遺伝子発現抑圧によるMAP1BとMAP2の記憶形成に及ぼす機能解析 細胞骨格を制御するMAP2が刻印付けに必要な遺伝子であるかどうかを解析するために、独自に確立したin vivo遺伝子導入系を用い、MAP2に対するmiRNA発現ベクターをエレクトロポレーションにより導入し、発現を局所的に抑圧した。遺伝子抑圧を行う脳領域として、刻印付けに伴いMAP2遺伝子発現の上昇が明らかとなっているIMM領域に注目した。そして、刻印付けにどのような影響があらわれるかを解析した。その結果、MAP2の遺伝子抑圧をIMM領域で行ったヒナでは、刻印付けの成立が阻害されていた。このことは、MAP2遺伝子が刻印付けに重要な機能を果たしていることを示している。 2、ルシフェラーゼ発光を利用した刻印付け遺伝子のin vivoリアルタイムメージング従来のin situ hybridizationなどを用いた方法では、固定した脳切片を作成し遺伝子発現の解析を行うため、刻印付けに伴った遺伝子発現を同一個体で経時的に計測することは出来なかった。そこで、ルシフェラーゼ発光を利用したin vivoイメージングにより、脳内での遺伝子発現変化を同一個体でリアルタイムに計測する方法の確立を試みた。刻印付けとの関連が知られている初期応答遺伝子c-fosのプロモーター下流にルシフェラーゼをつなぎ、ヒナ大脳に遺伝子導入した。そして、導入したルシフェラーゼの発光を利用し、刻印付けに伴い変動するc-fosの遺伝子発現をin vivoで測定することに成功した。その成果はNeurosci.Res.(2010)に発表した。今後はMAP2の刻印付けに伴う遺伝子発現変化をリアルタイムで計測する予定である。
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