2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790096
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤井 正徳 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (40434667)
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Keywords | 痒み / アトピー性皮膚炎 / アレルギー / 薬理学 / 免疫学 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎において,痒みは患者のquality of life(QOL)を最も低下させる症状であり,痒みと掻爬の悪循環が繰り返される。したがって,アトピー性皮膚炎において痒みを抑制することは,患者のQOLを向上させるだけでなく,本疾患の緩解にも繋がると考えられる。しかしながら,現在のところアトピー性皮膚炎の痒みの発症機構はほとんど明らかではなく,有効な治療薬および治療法は確立されていない。本疾患の発症過程にはダニなどの外来抗原に対するアレルギー反応だけでなく,皮膚バリア機能の低下を伴ったドライスキンも関与すると考えられている。これまで研究代表者らは,ヘアレスマウスに特殊飼料を継続的に摂取させると,ドライスキンおよび引っ掻き行動の持続化を伴ったアトピー性皮膚炎類似の皮膚炎症状が発症すること,およびその引っ掻き行動の持続化に皮膚バリア機能の低下が関与することを明らかにしてきた。本研究では,特殊飼料の摂食によりドライスキンを発症したマウスに,ダニ抗原によるアレルギー反応を付加することにより,臨床の複雑な病態をより反映したモデルの作製が可能か検討し,その発症機構について解析する。平成21年度では,以下のことを明らかにした。すなわち,普通飼料もしくは特殊飼料を摂食させたマウスに種々スケジュールでダニ抗原を含有した軟膏を塗布したところ,普通飼料を摂食し,正常な皮膚バリア機能を有するマウスでは何ら皮膚炎症状は認められなかったが,特殊飼料の摂食によりドライスキンを発症したマウスでは,一週間連日塗布し,一週間インターバルを置くスケジュールにおいて,掻爬痕を伴った皮膚炎症状の増悪および引っ掻き行動の頻度が増加した。また,抗原濃度の影響を検討したところ,含有したダニ抗原の濃度に依存して皮膚炎症状の増悪が認められた。
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Research Products
(2 results)