2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790096
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤井 正徳 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (40434667)
|
Keywords | 痒み / アトピー性皮膚炎 / アレルギー / ドライスキン / 皮膚バリア機能低下 |
Research Abstract |
本研究は、ドライスキンとダニ抗原によるアレルギー反応が関与する実験的アトピー性掻痒モデルを開発することを目的に行った。 前々年度では、ヘアレスマウスに特殊飼料を摂食させることにより皮膚バリア機能低下を伴ったドライスキンを全身性に発症させた後に、コナヒョウヒダニの粗抽出成分を長期間繰り返し塗布したところ、ひっかき行動が増加する傾向がみられたが、特殊飼料の長期の摂食によりドライスキン症状が重症化し、衰弱する個体がみられ、ひっかき行動の増加が再現性よく認められなかった。 そこで前年度では、上記の問題を解決するため、種々組成の飼料を摂食させた場合のドライスキン症状の発症の程度を比較検討したところ、軽度のドライスキン症状を長期間維持できる飼料組成(A飼料)を見出した。 当該年度では、A飼料摂食により軽度のドライスキン症状を発症したマウスを用いてダニ抗原を長期間暴露することによりひっかき行動の増加が再現性よくみられるか再検討した。前々年度とほぼ同様の条件でダニ抗原を暴露したが、ひっかき行動および皮膚炎の発症は全く認められなかった。ドライスキン症状が軽度であったため、皮膚に作用する抗原量が不十分であったと考え、抗原量を2.5倍および25倍に増加して検討したが、ひっかき行動の発現は認められなかった。しかしながら、既にダニ抗原を暴露した動物を用いて抗原暴露中止後8週間のインターバルをおいて再度ダニ抗原を暴露したところ、著しいひっかき行動が観察された。ひっかき行動の時間を測定したところ、1時間の計測において20分にも及ぶ著明なひっかき行動が、抗原暴露期間中のみならず暴露中止後においても数週間にわたり再現性よく認められた。皮膚炎の程度をスコア化すると、ひっかき行動の推移と時間的に一致した。以上から、ドライスキンを発症したマウスにダニ抗原を暴露することによりアトピー性掻痒モデルの作製が可能であることが示された。
|
Research Products
(2 results)