2010 Fiscal Year Annual Research Report
LPSによる炎症性骨破壊における線維素溶解系因子uPARの重要性
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21790097
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
菅野 陽介 同志社女子大学, 薬学部, 特任助教 (40416178)
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Keywords | LPS / uPAR / 炎症性骨破壊 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
平成22年度研究成果 1. LPSはNF-kBシグナルを活性化させることで破骨細胞の分化を誘導することが知られている。そのため平成21年度に作製した安定型uPAR発現株及びコントロール株にLPSを添加し、LPSが誘導するNF-kBシグナル伝達にuPARがどのように影響を及ぼすのか検討した。NF-kBの活性化は、I-kBの分解をウエスタンブロット法にて確認することによって行った。その結果、安定型uPAR発現株では、コントロール株と比較してLPSによって誘導されるNF-kBのシグナルが増強されることがわかった。また、siRNA法を用いてRaw264.7 cellsのuPARの遺伝子発現を抑制し、その細胞にLPSを添加し、LPSが誘導するNF-kBのシグナル伝達にuPARの遺伝子発現の減少はどのように影響を及ぼすかを調べた。その結果、LPSによって誘導されるNF-kBのシグナルは、コントロールと比較して抑制されていた。以上の点からuPARの発現変化が、LPSが誘導するNF-kBのシグナル伝達を制御していることが示唆された。 2. uPARが誘導する破骨細胞への分化メカニズムを明らかにするために、まず代表的なuPAR結合蛋白質であるインテグリンに着目し、安定型uPAR発現株及びコントロール株にインテグリンの阻害ペプチドを前処理後、LPS及びM-CSFにより分化誘導を行い、破骨細胞への分化能を検討した。その結果、インテグリンの活性化を阻害することによってuPARが誘導する破骨細胞への分化は抑制された。以上の結果より、uPARがインテグリンの活性化を制御することで、LPSが誘導する破骨細胞への分化を調節していることが明らかになった。
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