2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳ペリサイト機能異常に起因した脳神経血管機構破綻による肥満症の進展
Project/Area Number |
21790102
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高田 芙友子 Fukuoka University, 薬学部, 助教 (70412575)
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Keywords | 脳ペリサイト / 肥満 / 血液脳関門 / MMP-9 |
Research Abstract |
メタボリック症候群の最上流に位置する肥満症は、視床下部一脂肪組織のフィードバック機構破綻によってもたらされる。本研究は、血液脳関門(BBB)および視床下部機能を調節する「脳神経血管機構(neurovascular unit)」の基幹細胞として「脳ペリサイト」を捉え、脳ペリサイト病変化(肥満増悪因子による脳ペリサイト機能異常)を機軸とした肥満の進展機構を解明しようとするものである。 肥満・糖尿病モデルマウスの作製;ICRマウスにhigh fat diet(HFD)を2,4,8週間負荷し、肥満・糖尿病モデルマウスを作製した。モデルマウスは、HFD負荷期間依存的な体重増加・血糖値上昇を示した。 肥満によるBBB機能変化;sodium fluoresecin(Na-F)の脳内移行量をBBB機能の指標とし、肥満・糖尿病モデルマウスのBBB機能変化を検討した。HFD負荷期間依存的にNa-Fの脳内取り込み量が上昇したことから、肥満・糖尿病モデルマウスではBBB機能低下が起こることが明らかになった。 BBB構成細胞脳ペリサイト病変化;肥満状態で増加するtumour necrosis factor-α(TNF-α)の脳ペリサイトへの影響をmatrix metalloproteinase-9(MMP-9)を指標に検討した。TNF-α処理により、濃度依存的にMMP-9が産生された。また脳ペリサイト産生MMP-9がBBB機能低下を引き起こすことが明らかになった。 以上のことから、肥満に伴うTNF-αの上昇により脳ペリサイトは病変化し、MMP-9産生を介してBBB機能を障害することが明らかになった。
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