2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体コレステロールによる脂肪滴形成とリポタンパク質分泌の制御
Project/Area Number |
21790105
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
牧野 麻美 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 特別研究員 (20373368)
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Keywords | 肝細胞 / ApoB / 脂肪滴 / 小胞体 / コレステロール / トリグリセリド / VLDL / ACAT |
Research Abstract |
本研究の目的は肝臓における超低比重リポタンパク質(VLDL)の分泌と脂肪滴の形成におけるコレステロールの役割を解析することである。VLDLと脂肪滴は共に小胞体で形成され、リン脂質の一重膜の中にトリグリセリドやコレステロールエステルを含んだ脂質集合体である。これまでの研究により、培養ヒト肝細胞Huh7にアシルCoA-コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤を処理すると、VLDLの分泌が抑制されること、脂肪滴数の減少および肥大化が引き起こされることが分かった。解析の結果ACAT阻害剤は小胞体のコレステロールの量を増加させ、コレステロールエステルの量を減少するため、正常細胞と比べて小胞体内のコレステロールとコレステロールエステルの比が著しく変化することが分かった。また阻害剤を処理した細胞ではVLDLを構成するリポタンパク質ApoBが細胞内に蓄積しているのが観察された。脂肪滴の主なタンパク質であるADRPを解析するとADRPの分解が促進されることも分かった。ADRPを高発現した場合では、阻害剤を処理してもApoBの細胞内への蓄積は観察されなかったため、脂肪滴の形成がApoBの蓄積およびVLDLの分泌をコントロールしていることが示唆された。今年度は脂肪滴形成メカニズム解明を目的にし、脂肪滴特異的な低分子量Gタンパク質Rab18の解析を行ったところ、ADRPの分解よりも非常に早い段階でRab18の脂肪滴からの解離が起きていることがわかった。このことはコレステロール蓄積の最初のターゲットはRab18であることを示唆している。
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Research Products
(3 results)