2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規疎水性骨格の開発を基盤とした非セコステロイド型ビタミンD受容体リガンドの創製
Project/Area Number |
21790110
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤井 晋也 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・疾患生命科学研究部, 助教 (60389179)
|
Keywords | 医薬化学 / 核内受容体 / ホウ素クラスター / ノンセコステロイド / ビタミンD |
Research Abstract |
本研究課題は、現在まで開発の遅れている非天然型骨格を有する新規ビタミンD核内受容体リガンドの創製である。これまでビタミンD受容体リガンドの構造展開は、天然ホルモンである1, 25-ジヒドロキシビタミンD3のCD環部および側鎖のマイナーモディフィケーションを中心に行われてきた。本研究においては、疎水性ホウ素クラスターを利用して、これまでの誘導体とは全く異なるビタミンD受容体リガンドの新しい活性部分構造を開拓することを目的としている。本年度の課題として、これまでに得られている高活性なホウ素クラスター誘導体のエーテル構造に着目し、1, 25-ジヒドロキシビタミンD3の共役二重結合部との物理化学的な等価性を意図したチオエーテルへの構造展開を行った。目的化合物の合成は、アルコールからチオ酢酸を用いた光延反応によりチオエステルを経てチオールへと変換し、種々の末端ジオール構造とのチオエーテル化反応により合成した。合成化合物の生物活性を、ヒト前骨髄球姓白血病細胞HL-60に対する分化誘導活性で評価したところ、合成したチオエーテル誘導体はいずれもHL-60に対し分化誘導能を示し、ビタミンD活性を有することが明らかとなった。一方で、リードとしたエーテル型の誘導体と比較すると、その活性は1桁程度弱いものであり、また、種々の誘導体の構造活性相関からチオエーテルの硫黄原子の位置による活性の変化は少ないことが示された。以上の結果から、当該部位の構成原子はビタミンD受容体との相互作用に少なからず影響し、酸素原子が高活性発現に寄与していることが示唆された。
|
Research Products
(13 results)