2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規疎水性骨格の開発を基盤とした非セコステロイド型ビタミンD受容体リガンドの創製
Project/Area Number |
21790110
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤井 晋也 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 助教 (60389179)
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Keywords | 医薬化学 / 核内受容体 / ホウ素クラスター / ノンセコステロイド / ビタミンD |
Research Abstract |
本研究課題は、現在まで開発の遅れている非天然型骨格を有する新規ビタミンD核内受容体リガンドの創製である。これまでビタミンD受容体リガンドの構造展開は、ステロイドが開環して生成するセコステロイド型ホルモンである1,25-ジヒドロキシビタミンD3の、ステロイドCD環部および側鎖のマイナーモディフィケーションを中心に行われてきた。本研究においては新しいVDRリガンドとして、ホウ素クラスターの一種であるカルボラン、およびVDRリガンド活性を持つことが報告されているリトコール酸の基本骨格である5βステロイド構造を疎水性構造として有する新規非セコステロイド型VDRリガンドの創製を行った。平成22年度においては、主に5βステロイド構造を有する化合物の構造展開を行った。まず、ステロイドホルモンであるテストステロンあるいはアンドロステンジオンを原料として、5βステロイド骨格を疎水性ファーマコフォアとする化合物の合成法を確立した。水素結合性構造として、ホウ素クラスターを用いた誘導体展開においてVDRとの効果的な水素結合を形成することが示されている、鎖状ジオール構造を有した化合物を種々合成した。合成した5βステロイド誘導体は、ヒト前骨髄球性白血病細胞HL60を用いた分化誘導試験において、カルボラン誘導体のような顕著なビタミンD活性を示さず、鎖状ジオール構造を用いた構造展開には、5βステロイド構造よりもカルボランが適していることが示され、5βステロイドを用いたVDRリガンドの構造展開には、鎖状ジオールと異なる水素結合性ファーマコフォアの必要性が示唆された。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] ホウ素クラスターを疎水性骨格とする新規非セコステロイド型ビタミンD誘導体-受容体結合様式と構造展開-2010
Author(s)
藤井晋也, 増野弘幸, 垰田善之, 加納敦, 中林誠, 伊藤暢聡, 河内恵美子, 清水正人, 棚谷綾, 平野智也, 影近弘之
Organizer
日本レチノイド研究会第21回学術集会
Place of Presentation
大阪医科大学 高槻市(大阪)
Year and Date
2010-11-13
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