2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症標的化キメラペプチド局所投与による炎症疾患新規治療方法の基礎検討
Project/Area Number |
21790111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河野 雅之 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00437203)
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Keywords | 医薬分子設計 / ペプチド創薬 / 分子標的 / 局所投与 / DDS |
Research Abstract |
我々はチロシンキナーゼ阻害分子標的薬に対して治療抵抗性を示す難治性癌への新規治療法を見出すべく、癌細胞膜を崩壊させて癌細胞を殺傷し、かつ分子量の小さい革新的な分子標的抗癌剤「ハイブリッドペプチド」を設計することに成功した。この手法を炎症免疫系疾患へ応用すべく、炎症性サイトカイン受容体等へ結合する配列と細胞を殺さずに膜へ粘着する配列とのキメラ化ペプチドにより強固に炎症を抑制する新規炎症疾患治療方法の基礎検討を実施している。 代表的な炎症性サイトカインのTNFαに対する受容体へ結合する候補ペプチド配列を合成し、組換え受容体との結合親和性をBIACOREで1次スクリーニングし、さらにリガンド-受容体結合に重要な電荷アミノ酸を変えた変異配列を合成し2次スクリーニングを実施して、TNFα受容体結合配列を最適化した。 炎症標的化配列とハイブリッドさせるカチオンリッチな細胞膜粘着配列の候補に対して、培養細胞への低い毒性の候補を選抜した。さらにスペーサー配列を挟んで選抜した細胞膜粘着配列をハイブリッドさせた炎症標的化ペプチドを合成して、TNFα感受性細胞L929を用いたTNFα依存的な細胞死をより強く阻害するTNFα標的化ハイブリッドペプチドを選抜した。 TNFα標的化ハイブリッドペプチドはクローン病マウスモデルでの局所投与にて薬効、毒性を評価する予定である。また線維化の最も重要な蛋白のTGFβ1、アレルギーで重要なIgE等を標的化阻害するハイブリッドペプチドについても同様な取り組みを開始している。
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