2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗がんリード創出を指向するハイブリッド型アセトゲニン類の構造活性相関研究
Project/Area Number |
21790113
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小島 直人 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (90420413)
|
Keywords | 抗腫瘍活性物質 / 構造活性相関 / 生理活性物質 / 有機合成化学 |
Research Abstract |
バンレイシ科アセトゲニン類は熱帯・亜熱帯産のバンレイシ科植物より単離されるポリケチドの一種であり、強い抗腫瘍活性を有することから注目を集めている化合物群の一つである。その構造的特徴としては、1~3個のテトラヒドロフラン(THF)環とγ-ラクトン環が長いアルキル鎖で連結されていることが挙げられる。また、その生物活性はミトコンドリアの複合体Iを阻害することによって発現しているものと考えられている。我々は、アセトゲニン類と同じく複合体Iを阻害することにより活性を生じる呼吸鎖阻害系農薬との構造的な類似性に着目し、アセトゲニン類のγ-ラクトン環部位を呼吸鎖阻害系農薬由来の含窒素複素環に置き換えたハイブリッド型分子の合成に着手した。その結果、ハイブリッド型分子はヒトがん細胞に対して元の天然物より強い増殖抑制活性を示すことを見出した。また、検討の結果、THF環へと繋がるアルキル鎖と含窒素複素環との連結部分の結合様式が生物活性に強い影響を及ぼしている可能性が示唆されたため、結合様式に関する構造活性相関研究を実施した。その結果、予想通り、結合様式の活性への影響は極めて大きいことが判明し、中でも両者をN-メチルアミドで連結した誘導体の活性は、元の炭素-炭素結合で連結した誘導体の活性と比べて、最大三千倍にもなることが明らかになった。
|
Research Products
(26 results)