2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790115
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
梅澤 直樹 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (40347422)
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Keywords | 蛍光標識 / タンパク質 / 蛍光色素 |
Research Abstract |
本研究では、新規タンパク質蛍光ラベル化試薬の開発を進めている。特に、試薬自身は蛍光をもたないが、タンパク質と結合することで蛍光性となる「発蛍光型」プローブの開発を目指している。この性質をもつラベル化試薬は、非常に少ないが、いくつかの大きな利点を有する。すなわち、(1)過剰の未反応試薬の除去が不要となるためラベル操作が簡略となる、(2)信頼性及び感度の上昇が期待できる、等である。ラベル化に必要な相互作用として、「ヒスタグペプチド((His)_6)」と「Co^<2+>-NTA錯体」との選択的相互作用に着目した。筆者らはすでに、ヒスタグペプチドと選択的に結合し、蛍光強度が上昇する「発蛍光型」プローブを数種類開発している。 本年度は、申請者が開発した試薬類の改良を目的に研究を進めた。最近の研究で、開発した試薬類は、「N末に存在するヒスタグのみ蛍光標識する」、すなわち「N末以外に存在するヒスタグを蛍光標識することができない」という制限をもつことが明らかとなってきた。この制限は、特異性が高いというポジティブな捉え方もできるが、実用化という観点から見た場合、一般性が低いというネガティブな問題点となる。そこで、「Co^<2+>-NTA錯体」以外の金属錯体をヒスタグ結合部位としてもつ新規クマリン誘導体の開発研究を進めた。いくつかの新規蛍光試薬の合成に成功したが、いずれもヒスタグとの強い結合は見られなかった。現在も継続して新規蛍光試薬の開発研究を進めている。
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Research Products
(2 results)