2009 Fiscal Year Annual Research Report
Atpenin A5を基盤とした多角的な新規抗寄生虫薬の創製研究
Project/Area Number |
21790117
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大多和 正樹 Kitasato University, 薬学部, 助教 (70453503)
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Keywords | 天然物 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
Atpenin A5をリード化合物とした寄生虫complex II選択的阻害剤(新規抗寄生虫薬)創製のために、申請者が確立した全合成経路を応用しatpenin A5の構造活性相関研究を行った。ここではubiquinone/atpenin A5結合領域での阻害活性及び寄生虫選択性に関する知見を得ることを日的としている。 ピリジン環部については、6-位水酸基の必要性の確認を目的とした6-O-メチル体1、6-デヒドロキシ体2、ならびに寄生虫の電子伝達物質であるrhodoquinone(哺乳類の電子伝達物質であるubiquinoneの2-位にアミノ基に置換されている)を模倣することで寄生虫選択性向上を期待した2-アミノ誘導体3をはじめとする数種の新規誘導体を設計し、それらの合成を行った。2-アミノ誘導体3は、市販の2-nitro-3-methoxypyridineのニトロ基をN,N-di-Boc基へと変換後atpenin A5と同様にピリジン環に順次官能基を導入していくことで、3を11工程総収率35%で合成を達成した。側鎖部については、置換基の有無とそれらの活性相関検討を目的とした誘導体を設計し、現在9種の新規atpenin誘導体の合成に成功している。 活性評価の結果、ピリジン環部の6-位水酸基を除去(2)もしくはO-メチル化(1)した誘導体の活性が低下したことから、6-位水酸基の重要性が示唆される結果となった。これはX線結晶構造解析によるatpenin A5とcomplex IIとの相互作用様式を裏付ける結果となった。また2-位にアミノ基を有する3も活性が低下した。このことより、阻害活性発現における2-位メトキシ基の重要性が示唆される結果となった。その他の誘導体のcomplex II阻害活性ならびに、今回合成した全新規誘導体の選択性は現在評価中である。それらの活性評価で得られた知見を基に更なる誘導体の設計・合成を行い、atpenin A5誘導体の最適化を順次行っていく。
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Research Products
(2 results)