2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規ジケトピペラジン型微小管作用薬を用いた創薬指向型ケミカルバイオロジー研究
Project/Area Number |
21790118
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山崎 有理 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 助手 (70459725)
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Keywords | 分子認識 / 医薬品化学 / 癌 / 生体分子 / 薬学 / チューブリン |
Research Abstract |
微小管作用薬のplinabulin(NPI-2358)は、最近、腫瘍部選択的な新生血管内皮細胞障害作用を示すVascular Disrupting Agent(VDA)であることが明らかになり、新しいタイプの抗がん剤として第2相臨床試験段階が進行中である。Plinabulinは、コルヒチンと同様に微小管を構成するタンパク質のチューブリンに作用していると考えられているが、両者の立体分子構造に違いがみられ、チューブリンに対する詳細な結合様式は不明である。我々はplinabulinの結合様式を解明するため、光反応性官能基として知られているベンゾフェノン構造を有する高活性誘導体KPU-244を基にフォトアフィニティープローブを合成し、チューブリンを光標識することにした。これまでKPU-244上のベンゾフェノン環のp'位に、ビオチン構造を導入したフォトアフィニティープローブKPU-244-B2を合成し、このプローブが有効に機能することを明らかにしていたが、αあるいはβのどちらのチューブリンを標識しているかについては不明であった。よって、当該年度はビオチンリンカー部分を改良した新しいプローブKPU-244-B3を合成した。このプローブはチューブリンに対して有意な結合能力を有しており、細胞抽出液中においてもチューブリンと選択的に結合した。そして、KPU-244-B3を用いてチューブリンフォトアフィニティーラベリングを行ったところ、α-,β-両方のサブユニットを光標識していることが明らかとなった。また、この標識はコルヒチンの添加によって消失した。以上のことから、合成したプローブは、チューブリンのコルヒチン結合部位周辺においてα-,β-両方のチューブリンを標識していることが明らかとなった(Bioorg.Med.Chen.2010,in press)。
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Research Products
(11 results)