2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規ジケトピペラジン型微小管作用薬を用いた創薬指向型ケミカルバイオロジー研究
Project/Area Number |
21790118
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山崎 有理 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (70459725)
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Keywords | 分子認識 / 医薬品化学 / 癌 / 生体分子 / 薬学 |
Research Abstract |
Plinabulinは、当研究室で創製されたジケトピペラジン骨格を有する強力な微小管作用薬である。本化合物は抗がん剤として米国を含む4カ国で第2相臨床試験が進行中の医薬品候補化合物であるが、標的タンパク質であるチューブリンへの結合様式については未だ明らかではない。結合様式を明らかにできれば、分子認識に基づいた理論的なplinabulin類縁体の創薬研究が展開できる。よって我々は、plinabulinの結合様式を解明することを目的として、フォトアフィニティーラベル手法により結合様式の解析を行うことにした。これまで、光反応基であるベンゾフェノン構造を有する高活性な光親和性誘導体KPU-244の構造を基にplinabulinのケミカルプローブとして光親和性ビオチン化誘導体KPU-244-B2,-B3を合成し、これらの化合物を利用して結合様式を解析してきた。本年度はplinabulinの結合様式をさらに精査するため、KPU-244のオキサゾール環側にビオチン構造を導入したビオチン化誘導体を開発することとし、新規ケミカルプローブとしてKPU-252-B1を新たに合成した。合成したプローブの生物活性を評価したところ、有意な活性を示した。よって、このプローブとチューブリンを用いて光親和性標識実験を行った。その結果、プローブによる濃度依存的かつ光照射時間依存的な光標識が検出された。また、この光標識はplinabulinやコルヒチンと濃度依存的に競合した。これらの結果から本プローブは効果的なplinabulinケミカルプローブとして機能し、コルヒチン結合部位周辺のα,β-チューブリンサブユニット境界面を認識していることが示唆された。この結果は過去に合成したKPU-244-B2,-B3を用いた解析の結果と一致するものであった。
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Research Products
(10 results)