2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞に発現するレクチンへの抗原ターゲティングによる抗腫瘍ワクチンの可能性
Project/Area Number |
21790144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伝田 香里 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (00313122)
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Keywords | 樹状細胞 / レクチン / ターゲティング / 抗腫瘍ワクチン / 糖鎖 |
Research Abstract |
癌の治療において、免疫療法は特に転移抑制・再発予防といった点から非常に重要な治療法であるが、その効果はまだ十分とは言えず、新たな免疫療法の開発が望まれている。本研究課題では、樹状細胞表面に発現する種々のレクチンのうち候補分子としてMGL(Macrophage galactose-type C-type lectin/CD301)に着目し、MGLへの抗原ターゲティングによる新規抗腫瘍ワクチンを開発することを最終目標として、研究期間内にはマウスMGL1及びMGL2を対象として、抗腫瘍免疫応答を誘導するためのターゲット分子としてMGLが有用であるかを明らかにすることを具体的目標とする。 本年度は、MGL1特異的モノクローナル抗体及びMGL2特異的モノクローナル抗体(いずれもラットIgG2a)または、前年度に作製したMGL1特異的モノクローナル抗体及びMGL2特異的モノクローナル抗体にモデル抗原OVAを結合させた抗体をアジュバントとともに野生型マウス及びMgl1またはMgl2ノックアウトマウス皮下に投与し、血清中抗ラットIgG2a抗体応答及び抗OVA抗体応答を解析した。その結果、MGL2特異的モノクローナル抗体を用いた場合には、MGL2特異的に抗体応答が誘導されることが明らかとなった。さらに、ビオチン化抗体投与後の所属リンパ節細胞の解析から、MGL2特異的モノクローナル抗体がMGL2陽性真皮樹状細胞に特異的にターゲットされたことを確認した。 本研究により、MGL2への抗原ターゲティングが有用である可能性が示された。MGL2は、相同性や糖結合特異性などからヒトMGLのマウスカウンターパートであると考えられるため、MGLへの抗原ターゲティングがヒトにおいても有用であることが期待される。
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[Journal Article] Distribution and function of macrophage galactose-type C-type lectin 2 (MGL2/CD301b) : Efficient uptake and presentation of glycosylated antigens by dendritic cells.2010
Author(s)
Denda-Nagai K, Aida S, Saba K, Suzuki K, Moriyama S, Oo-Puthinan S, Tsuiji M, Morikawa A, Kumamoto Y, Sugiura D, Kudo A, Akimoto Y, Kawakami H, Bovin NV, Irimura T.
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 285
Pages: 19193-19204
Peer Reviewed
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