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2009 Fiscal Year Annual Research Report

吸収/排泄型トランスポーターの相殺性に基づく薬物吸収動態予測

Research Project

Project/Area Number 21790147
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

白坂 善之  Kanazawa University, 薬学系, 助教 (60453833)

Keywords薬学 / 薬物動態学 / 消化管吸収 / トランスポーター / 薬物間相互作用 / 細胞・組織 / 生体分子
Research Abstract

複雑で多様な構造を有した医薬品開発の進展に伴い、複数のトランスポーターに基質として認識される医薬品が増加している。これに伴い、種差などによる薬物動態特性の複雑さはより一層増大し、動物実験からのヒト消化管吸収性予測を困難にしている。例えば、β_1受容体遮断薬talinololは、グレープフルーツジュース(GFJ)の併用により、ラットにおいてはAUCの上昇が、ヒトにおいてはAUCの低下が報告されている。そこで本年では、ヒトおよびラットのOATP/OatpおよびP-gpに対するGFJ主成分naringinの親和性に着目し、talinolol-GFJ間相互作用における種差についての検討を試みた。Oatpla5発現oocyteおよびLLC-PK1/Mdrla細胞を用いた検討より、talinololがラットOatpla5およびP-gpの基質となることが明らかとなった。また、ラットOatpla5およびP-gpによるtalinolol輸送はGFJの主成分であるnaringinにより阻害され、そのIC^<50>値はそれぞれ13μMおよび604μMと算出された。従って、talinololのラット消化管吸収に対するOatpla5およびP-gpの影響が、naringinのIC^<50>値の違いに基づいて観察できる可能性が示唆された。そこで、ラット小腸を用いたin situ closed loop法を用いて、talinololの吸収に対するnaringinの影響を検討した。その結果、talinololの膜透過性は200μM naringin存在下で有意に低下し、2,000μM naringin存在下では上昇する結果が得られた。さらに、OATPIA2発現oocyteおよびLLC-PK1/hMDR1細胞を用いた検討により、talinololがヒトOATPIA2およびP-gpの基質となることが明らかとなった。また、ヒトOATPIA2によるtalinolol輸送はnaringinにより阻害され、そのIC^<50>値が343μMと算出されたのに対し、ヒトP-gpによるtalinolol輸送については2,000μMまで有意な影響を受けなかた。以上より、GFJ(実測naringin濃度:1198μM)に対しては、ヒトではOATPのみが、ラットではP-gp及びOatpが共に阻害されると推察され、talinolol-GFJ間相互作用における種差が、OATP/OatpおよびP-gpに対するnaringinの親和性の違いで説明できる可能性が示された。本研究の成果は、トランスポーター基質薬物の動物実験からのヒト消化管吸収性予測における正しい解釈を議論する基礎的情報を提供できるものと期待される。

  • Research Products

    (5 results)

All 2010 2009

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Species difference in the effect of grapefruit juice on intestinal absorption of talinolol between human and rat2010

    • Author(s)
      Yoshiyuki Shirasaka
    • Journal Title

      The Journal of pharmacology and experimental th erapeutics 332

      Pages: 181-189

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] トランスポーターに起因した薬物の消化管吸収部位差に関する研究2009

    • Author(s)
      白坂善之
    • Organizer
      日本薬物動態学会第24回年会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都)
    • Year and Date
      2009-11-28
  • [Presentation] 薬物の消化管吸収に及ぼすP糖蛋白質の影響とその評価に関する研究2009

    • Author(s)
      白坂善之
    • Organizer
      日本薬剤学会第34回製剤セミナー
    • Place of Presentation
      浜名湖ロイヤルホテル(静岡)
    • Year and Date
      2009-07-13
  • [Presentation] OATP/P-gpを介した薬物の消化管吸収動態とその種差2009

    • Author(s)
      白坂善之, 蔵岡えりか, 中西猛夫,Peter Langguth, 玉井郁巳
    • Organizer
      日本薬剤学会第24年会
    • Place of Presentation
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡)
    • Year and Date
      2009-05-21
  • [Presentation] OATP-MEDIATED INTESTINAL ABSORPTION OF HMG-COA REDUC TASE INHIBITORS IN RATS2009

    • Author(s)
      Kensuke Suzuki
    • Organizer
      The 3^<rd> Asian Pacific ISSX Regional Meeting 2009
    • Place of Presentation
      Bangkok, (Thailand)
    • Year and Date
      2009-05-11

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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