2009 Fiscal Year Annual Research Report
高コレステロール血症個別化治療を指向したコレステロールの小腸上皮細胞内動態解析
Project/Area Number |
21790152
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡邊 博志 Kumamoto University, 薬学部, 講師 (70398220)
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Keywords | コレステロール / トランスポータ / スタチン / 個別化投与設計 / 腎不全 |
Research Abstract |
Caco-2細胞におけるNPCIL1の発現量は低いことが確認されているため、NPC1L1の安定発現細胞株を作製した。すなわち、ヒト小腸cDNAライブラリーからHA tagを付加したプライマーを用いて、PCR法によりヒトNPClL1のクローニングを行った。pcDNA3.1(+)ベクター上ヘサブクローニングを行い、Caco-2細胞ヘトランスフェクションを行った。目的の細胞はG418 sulfateの存在下でセレクションし、安定発現細胞株(NPCIL1-Caco-2)を得た。 加えて、本年度は、末期腎不全モデルラットおよびラット初代培養肝細胞を用いて、肝臓に発現するトランスポータの発現・活性に及ぼす各種尿毒症物質の影響について精査することを試みた。すなわち、慢性腎臓病における血清コレステロール低下薬であるスタチン系薬剤などの肝代謝型薬物の個別化投与設計を意図して、ラット初代培養肝細胞を用いた検討を行った。尿毒症物質添加時における、P-gp、MRP2などの各トランスポータの発現量はWestern blottingおよびReal-time PCRにより、タンパク質およびmRNAレベルで解析した。その結果、各種尿毒症物質の添加により、P-gp, MRP2などの薬物トランスポータの発現が有意に変動することを明らかにした。次年度は、腎不全モデルラットを用いて、トランスポータの発現に及ぼす尿毒症物質の寄与について検討を加える。
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