2012 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病薬物治療標的としての膵β細胞脂質シグナリング制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21790154
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
金子 雪子 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (00381038)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / ジアシルグリセロール / インスリン分泌 / 膵β細胞 / プロテインキナーゼC / ホスファチジン酸 |
Research Abstract |
本研究は、膵β細胞における脂質シグナリング制御の一つとして、ジアシルグリセロールキナーゼ (DGK) に着目し、基質ジアシルグリセロール(DAG)とリン酸化産物ホスファチジン酸の細胞内における量的調節と膵β細胞機能との関係を明らかにすることを目的とする。昨年度までの研究から、タイプI DGKである DGKα、γが膵β細胞に発現すること、タイプI DGK特異的阻害薬R59949は単離マウス膵島において、グルコースおよび high K 誘発インスリン分泌および細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)上昇を有意に抑制することを明らかにした。さらに、膵β細胞株 MIN6 細胞においてDGKγ をノックダウンした結果、グルコースおよびhigh K 誘発インスリン分泌が有意に減少したことを示し、DGKγ は膵β細胞において、インスリン分泌を促進性に制御している分子であることを示した。そこで本年度は、DGKγ 以外のtype I DGKアイソフォームとして、膵β細胞に高発現している DGKαアイソフォームに着目し、膵β細胞における機能について検討を行った。その結果、DGKαはDGKγと同様に、[Ca2+]i上昇を伴うインスリン分泌刺激により細胞質から細胞膜近傍へと移行し、活性化することが示唆された。さらに、DGKαをノックダウンすると、グルコースおよびhigh K 誘発インスリン分泌は部分的に抑制され、DGKγとダブルノックダウンすることにより、相加的にインスリン分泌が抑制されることが分かった。また、DGKα、γダブルノックダウンにより、R59949によるインスリン分泌抑制作用と同程度の抑制効果が認められた。以上の結果から、膵β細胞において、DGKαおよびγ は細胞内DAG量を制御することで[Ca2+]iを調節し、インスリン分泌に対し促進的に働く分子であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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