2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性基質を利用した有機カチオントランスポーター類の新規機能評価系の開発
Project/Area Number |
21790155
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
太田 欣哉 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 助教 (90448704)
|
Keywords | トランスポーター / 有機カチオン / 蛍光 / スクリーニング / 薬物間相互作用 / 薬物動態 |
Research Abstract |
まず、蛍光性基質を利用したMATE(multidrug and toxin extrusion protein)の新規機能評価系に利用可能な蛍光性を有するMATEの基質を探索した。その結果、試験薬物(蛍光性物質)の中でDAPI(4',6-diamino-2-phenylindole)がヒトMATE1及び2-K安定発現細胞に効率的に取り込まれ、MATEの良好な基質であり、本評価系で利用可能であると判断した。 MATEを介したDAPIの細胞内取り込みを速度論的に解析した結果、ミカエリス定数(K_m)はヒトMATE1が1.13μM、ヒトMATE2-Kが6.78μMと算出された。一方、MATEの良好な基質であるcimetidineのヒトMATE安定発現細胞内取り込みに対するDAPIのIC_<50>はヒトMATE1が6.9μM、ヒトMATE2-Kが15.7μMであり、先述のK_m値とほぼ同等であった。このことよりヒトMATE1及び2-KにおけるDAPIの基質認識部位は他のカチオン性基質と同じであることが示唆され、本評価系にDAPIを使用することが適当であると再確認できた。 MATEを介したDAPIの輸送は、TEA(tetraethylammonium)やcimetidine等のカチオン性基質と異なり、細胞内pHの影響を受けなかったが、各種阻害剤による影響は、カチオン性基質であるcimetidineに対するものと比較すると良好な相関が得られ、DAPIを用いてMATEの基質または阻害剤の選別(ないし判別)を行うことは可能であると考えられた。 細胞内取り込み実験後から測定完了までに要する時間は、従来法のRIを用いた場合6~7時間程度(96サンプル)要していたが、本評価系では数分程度にまで短縮することができた。 さらに、MATEの機能評価系に利用可能なDAPIを用いて、MATE以外の有機カチオントランスポーター類への適用の可能性を探った結果、ヒトorganic cation transporter 1 (hOCT1)にも適用可能であることが分かった。
|
Research Products
(2 results)