2009 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化発症の初期病変を効率的に評価可能なバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
21790156
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岩城 壮一郎 Nagoya City University, 薬学研究科(研究院), 助教 (60399962)
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Keywords | 動脈硬化症 / バイオマーカー / miRNA / PAI-1 / スフィンゴシン1-リン酸 |
Research Abstract |
冠動脈疾患や脳梗塞のような動脈硬化症を起因とした疾患は、先進諸国における主たる死因である。動脈硬化症の発症には遺伝的素因や生活習慣の影響が大きく、危険因子の寄与度や治療に対する応答も個人により異なるため、個々の患者におけるリスクを正確に判断する評価法の開発が急務である。また、動脈硬化性疾患の発症や再発を阻止するには、より早期の診断と治療開始が必要であるが、動脈硬化発症の初期段階を診断可能なマーカーはまだ実用化されていない。本申請課題は、動脈硬化症の発症初期に特異的に発現する生体分子に焦点を当て、分子レベルでの解析を展開することにより、動脈硬化症の発症初期段階を診断可能なバイオマーカーとしての応用を目指すものである。本申請課題ではまず初めに、最近その機能が注目を集めているmiRNAが動脈硬化症発症のマーカーとなり得るかどうか検討するため、病態モデル動物を用いて動脈硬化症発症初期に発現が変動するmiRNAの同定を目指した。8週齢の健常マウス及び動脈硬化症を自然に発症することが知られているApoE欠損マウス(動脈硬化症モデルマウス)より、血清中または動脈硬化症好発部位(大動脈弓組織)に存在するmiRNAの単離およびクローニングを行った。得られたmiRNA群より、健常マウスもしくは動脈硬化症モデルマウスのみに特異的に発現するmiRNAの探索を行い、動脈硬化症発症に関わるmiRNAの候補を得た。現在は得られたmiRNA候補のスクリーニングを進めており、動脈硬化症発症の早期段階において発現の変動するmiRNAの同定後は、miRNAの標的遺伝子の同定や培養細胞への導入を行うことにより動脈硬化症の進行への影響を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)