2009 Fiscal Year Annual Research Report
アネキシンA8のメチル化パターンによる潰瘍性大腸炎患者の個別癌診断システムの開発
Project/Area Number |
21790159
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
畑 春実 Showa University, 医学部, 助教 (00396441)
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Keywords | メチル化 / Annexin |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎の長期経過例では、慢性炎症を有する大腸粘膜を発生母地とした大腸癌(colitic cancer)の合併が報告されいる。しかし、colitic cancerは、早期診断が困難であるため、早期診断や発癌予測に有用な遺伝子学的マーカーの確立が急務と考えられる。本研究は、癌特異的発現遺伝子Annexin A8の「メチル化パターン」を、colitic cancerの早期診断、悪性度・予後予測のための新規バイオマーカーとして確立させることを目的とする。本年度の研究実績は、以下の通りである。 1. in vitroにおけるcolitic cancerモデルの作製 ヒト繊維芽細胞(HEF)をNO供与体であるGSNO処置下・非処置下で長期継代培養を行った。しかし、癌化が認められず、長期慢性炎症に起因するcolitic cancerモデルの作製に至らなかった。来年度の検討課題とする。 2. Annexin A8の機能解明 pcDNA3 vectorにhuman Annexin A8 cDNAを組み込んだpcDNA3-hA8を作製した。これらをヒト大腸癌細胞株HCT116、ヒト膵癌細胞株PANC-1に強発現させたところ、細胞増殖能、浸潤能の上昇を確認した。逆に、siRNAによりAnnexin A8発現を抑制した細胞株では、細胞増殖能、浸潤能が阻害された。これらの結果より、Annexin A8は癌の悪性化に関与する可能性が示唆された。
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