2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬物酸化酵素の個人間および個人内変動に影響を及ぼす転写調節機構の解明
Project/Area Number |
21790160
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
清水 万紀子 Showa Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (90307075)
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Keywords | FMO3 / トリメチルアミン / トリメチルアミン尿症 |
Research Abstract |
酸素添加酵素フラビン含有モノオキシゲナーゼ3(FMO3)の機能不全は、食事由来成分トリメチルアミンの代謝不全によりトリメチルアミン尿症を発症する場合がある。トリメチルアミン尿症患者は、一般的に食品由来のトリメチルアミン摂取を制限することにより、体臭に対処している。各種食品摂取後のトリメチルアミン尿中排泄量に関するイギリス人の報告があるが、日本人向け食品の情報は十分ではない。そこで、日本人トリメチルアミン尿症患者の緩和療法となる食材を検討した。食品中に含まれる総トリメチルアミン含量を測定し、食後尿中トリメチルアミン排泄率を検討した。カツオの赤身は調べた他5種の魚よりトリメチルアミン総量が少なかった。健常成人ボランティアに魚200gおよびコントロールである白米200gを摂取させ、食後8時間の尿を蓄尿し、尿中トリメチルアミン総量を測定した。トリメチルアミン排泄率を比較した結果、カツオは約90%であるのに対し、マグロおよびタラにおけるトリメチルアミン排泄率は約40%であった。これらの結果から、マグロおよびタラをトリメチルアミン尿症患者が摂取した場合、摂取後8時間では体内に残存する未変化体トリメチルアミンによる特有の体臭が引き起こされる可能性が推察された。これらの基礎情報は、トリメチルアミン尿症患者の臭い対策である食材選択の一助となることが期待される。
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