2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型siRNA搭載ナノバブルと超音波併用による新規血管新生療法の開発
Project/Area Number |
21790164
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 葉子 (遠藤 葉子) Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 助手 (30453806)
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Keywords | 核酸デリバリー / 超音波 / リポソーム |
Research Abstract |
本研究においては、これまでにsiRNAの細胞内導入に成功している超音波造影ガス封入PEGリポソーム(バブルリポソーム)を基本に、表面にsiRNAを搭載可能な新規バブル製剤を開発し、これをツールとして新規血管新生療法の開発を目的としている。その第一段階として、カチオン性脂質含有バブルリポソームの調製に着手した。これまでバブルリポソームの調製に用いてきたDPPCをベースに、遺伝子導入に汎用されるカチオン性脂質(DOTAP)の含有比率について、超音波造影ガスの保持を指標に検討した。その結果、総脂質量に対し15mol%までDOTAP含有させたリポソームではガスの保持が可能であり、超音波造影効果も有することが明らかとなった。次にsiRNA搭載型バブルリポソームの調製を試みた。その際、バブルリポソームとsiRNAとの相互作用に関してはフローサイトメトリーにより確認を行った。その結果、数種の調製法から、最も効率がよくかつ簡易な方法を決定し、さらにPEGの鎖長や比率を変化させることで、相互作用が増強することを明らかとした。上記の検討から最適化されたバブル製剤に搭載されたsiRNAは、高濃度のsiRNA分解酵素存在下において、siRNA単独の場合と比較して安定性が向上することが確認された。またin vitroにおける導入実験において、pDNAおよびsiRNAの導入が可能であることも示された。 以上の結果は、本バブルリポソームを全身投与で用いた際には、siRNAとバブルリポソームの生体内挙動の一致、およびsiRNAへのヌクレアーゼ耐性の付与が可能であることを示唆し、血管を介して疾患部位へ効率のよいsiRNAデリバリーを目指す本研究において、非常に意義のある成果であるといえる。 実施計画に挙げていた血管新生調節因子抑制による血管新生因子への影響の確認に関しては、2010年度に検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)