2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型siRNA搭載ナノバブルと超音波併用による新規血管新生療法の開発
Project/Area Number |
21790164
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 葉子 (遠藤 葉子) 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (30453806)
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Keywords | 核酸デリバリー / 超音波 / リポソーム |
Research Abstract |
H21年度までに、遺伝子導入に汎用されるカチオン性脂質(DOTAP)を用いてバブルリポソームの調製を試み、超音波造影およびバブルリポソーム表面へのsiRN搭載が可能であることを明らかとしてきた。さらに造影ガスの保持時間やsiRNAの搭載量などの向上を目指し、本年度では、DOTAP以外のカチオン性脂質としてDSTAP・DSDAP・DDABの3種を用い、バブルリポソームの調製を試みた。その結果、DOTAPより含有率を増加させたバブルリポソームの調製が可能であり、そのガスの保持においてもDOTAP含有バブルリポソームと比較して有用であることが明らかとなった。実際に、造影輝度の増強、および造影効果の持続も確認された。カチオン性脂質の含有率を上げ、調製溶媒を変更することで、バブルリポソームのζ電位が上昇し、siRNAの搭載量の増大が認められた。さらにsiRNAの細胞内導入の駆動力となるキャビテーションの誘導の有無をin vitroにおけるLuciferase発現pDNAの導入実験により評価したところ、その遺伝子発現の上昇が認められ、各バブルリポソームともにキャビテーションの誘導が可能であることが判明した。以上より、本研究において核となるsiRNAキャリアーとしての新規バブルリポソームの有用性が示唆された。 同時に、バブルリポソーム表面に搭載するsiRNAの血管新生促進効果について、in vitro導入実験による基礎的評価も行った。血管新生に関与するWnt経路の負の制御因子、GSK-3βに特異的なsiRNAをC2C12およびNIH3T細胞へ導入し、Wnt経路の活性化についてレポーター活性により評価した。しかしながら、顕著な効果が認められなかったため、今後はそれに代わる標的因子についての再検討の余地があると考えられた。
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Research Products
(4 results)