2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋細胞における膜小胞輸送;VAMP5の形態学的解析
Project/Area Number |
21790175
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
多鹿 友喜 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90400738)
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Keywords | 骨格筋細胞 / 膜輸送 / SNARE / 筋分化 / 抗体染色 |
Research Abstract |
これまでに、膜小胞の繋留と融合を制御するSNARE蛋白質に注目し、骨格筋に発現するアイソフォームについて網羅的な検討を行ってきた。SNARE蛋白質のうちVAMPファミリーに属するVAMP5は、筋特異的なアイソフォームといわれている。しかしながら、mRNAを検出した報告しかなく、生体内におけるVAMP5蛋白質の発現と分布は、全く知られていない。そこで、抗体をもちいて組織染色などの解析を行った。 これまで、VAMP5が成熟骨格筋の速筋線維に多く発現するを明らかにした。本年度は、培養筋芽細胞をもちいて、筋分化におけるVAMP5の機能を探った。培養筋芽細胞では、VAMP5は、分化前の単核細胞には発現せず、分化後の多核細胞に発現した。この発現をsiRNAによって抑制しても、多核細胞の形成や、分化マーカーであるミオシンやデスミンの発現に影響しなかった。これまでのところ、機能を特定するに至っていない。しかし、VAMP5の細胞内分布は、細胞の先端部に限局することから、多核細胞の伸長に関わる可能性や、細胞内膜小胞輸送のどの過程に関与するのかを今後検討したい。 上記の解析の他に、骨格筋以外でのVAMP5の発現を調べている。多くの器官でVAMP5蛋白質はウェスタンブロットによって検出された。組織染色を進めているところである。現在までに、心筋では、VAMP5は介在板近傍の細胞質に存在することや、肺では一部の上皮細胞に限って発現することを見出した。骨格筋や心筋の細胞内では局在が見られることなどから、細胞内の機能としては、特徴的なものを持つ可能性が考えられる。また、多くの器官で蛋白質が検出されるが、肺の例から一部細胞の特化した機能に関与することも考えられる。
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Research Products
(3 results)