2010 Fiscal Year Annual Research Report
走査電子顕微鏡の新しい手法によるゴルジ装置の立体微細構造機能解析
Project/Area Number |
21790176
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
甲賀 大輔 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30467071)
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Keywords | ゴルジ装置 / 細胞小器官 / 下垂体前葉 / 走査電子顕微鏡 / オスミウム浸軟法 / ポリエチレングリコール / 試料作製法 |
Research Abstract |
本研究は、Plyethylene Glycol(PEG)による包埋・脱包埋法による光学顕微鏡的手技と走査型電子顕微鏡(走査電顕)観察法を効果的に組み合わせた、高分解能三次元形態解析法を新たに開発し、下垂体前葉細胞の明確な同定と各前葉細胞の細胞小器官の立体微細構造と機能の関係を解析することを目的とした。本年度の研究実施計画として、はじめに、下垂体前葉細胞の細胞小器官の立体微細構造の解明を行った。21年度の研究により、分類可能となった下垂体前葉細胞の細胞小器官を超高分解能走査電顕により詳細に観察し、各前葉細胞のゴルジ装置、ミトコンドリア、粗面小胞体、分泌果粒の大きさなどを詳細に記録した。その結果、下垂体前葉細胞のなかで、性腺刺激ホルモン産生(GTH)細胞のゴルジ装置が最も良く発達していることがわかり、その形状が球状であることも観察することができた。さらに、下垂体前葉細胞のゴルジ装置における果粒形成機能序の解析をするため、ゴルジ装置のシスとトランスの正確な極性、層板構造、粗面小胞体との立体的な配置関係を明らかにした。また、去勢により機能を亢進させたGTH細胞のゴルジ装置の微細構造変化を経時的に観察し、その微細形態変化を時間軸を加えた形で解析した。その結果、去勢後早期には、正常時には球体であったゴルジ装置の断片化、特殊な形状の粗面小胞体の出現など、細胞生物学的に興味深い構造変化を確認することができた。本研究では、PEG法を用いることで、走査電顕により各前葉細胞の立体構造と機能の関係を解明することが可能となった。今後は下垂体に限らず、複雑な組織中での目的細胞の変化を解析するための他の研究に、大いに貢献することが期待できる(内分泌腺では、膵島や消化管の散在性の内分泌細胞の機能・病態解析など)。
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