2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790179
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大崎 雄樹 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00378027)
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Keywords | 脂肪滴 / Apolipoprotein B / 小胞体 / VLDL / プロテアソーム / HCV |
Research Abstract |
肝癌由来細胞株Huh7では脂肪滴(LD)-小胞体(ER)融合構造(ApoB-crescent)がプロテアソーム,オートファジー阻害剤処理等により増加する.21年度は以下の様に研究を進めた(到達目標項目別に列挙). 1. 脂肪滴-小胞体融合構造がApoBの特殊な分解装置として機能する事の立証. Hun7から精製した脂肪滴画分のプロテオーム解析によりユビキチン化関連分子群が多数同定された. (1) Huh7細胞(一部はクローニングした各分子を一過性発現)からショ糖密度勾配遠心により回収した脂肪滴画分中に各分子が局在する事を特異的抗体/エピトーグタグ抗体を用いて再確認した. (2) 候補分子のうち2種(A,B)の発現をRNAiにより抑制すると,細胞内ApoB量及びApoB分泌量が減少した. (3) 別の2分子(C,D)の発現抑制により,脂肪滴蛋白質であるADRP量,及び脂肪滴数が増加した. ApoB,ADRPのユビキチン化,蛋白質寿命等を解析し,それぞれの分解に寄与する分子複合体の同定を目指す. 2. 脂肪滴周囲におけるApoB-VLDL代謝とヒトC型肝炎ウイルスHCV複製機構の関連の解明. HCV粒子産生・分泌過程はApoB-VLDLの生合成/分泌過程と相関する. (4) Huh7.5細胞:HCV-JFH1株を用いたHCV産生培養系を利用して,小胞輸送障害剤あるいはADP-リボシル化阻害剤処理(ApoB-crescent及びApoB分泌を抑制する;未発表)により感染性HCV粒子形成量が減少する事を確認した.今後は項目1の候補分子群を抑制した細胞培養系において感染性HCV粒子形成率を評価する.
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