2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しいマイクロイメージング技術EFICを用いたヒト胚子発生過程の三次元画像解析
Project/Area Number |
21790180
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 重人 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (80432384)
|
Keywords | 三次元イメージング / MR顕微鏡 / EFIC法 / ヒト胚子 / 発生学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、発生学において時々刻々変化する胎児の形態解析を、EFIC法という極めて解像度の高い三次元立体画像を描出することのできる新しい方法を用いて行うものである。本年度の実績は以下の通りである。1. EFICシステムはマイクロトーム、蛍光顕微鏡、デジタルカメラ、画像解析ソフトウェア、コンピューターシステムを統合したものであるが、安定した撮像システムは完成されていない。そのため、次年度以降の研究を円滑に進めるために、まずシステムを完成させた。スライスにより露出した標本断面の蛍光像を、GFPフィルターを装着した蛍光顕微鏡および高解像度CCDカメラによって捕捉するが、この際の自家蛍光を最も効率よく捕捉するためのパラメータの設定(撮像条件)を決定した。2. 標本作製過程でのアルコールによる脱水時間が長くなると自家蛍光が消失する傾向にあり、脱水時間が短いとEFICに用いる特殊なwaxのサンプルへの浸入が不十分となる。この時間の調整をサンプルの胎齢ごとに厳密に行い、標準プロトコールを作成した。発生学領域への広範な応用を期待し、(1)マウス胚(2)ニワトリ胚(3)オタマジャクシ(4)メダカ成魚・稚魚など、実験動物として汎用される動物種についての標準プロトコールを確立した。3. ヒト胚子の形態解析をするにあたり、EFIC法での観察が有用な表面正常内部異常胚のスクリーニングを開始した。前年度までに撮像の終了しているカーネギー発生段階13~23の1240例のMRIデータを用いたスクリーニングを開始した。三次元表面再構成像を作成し、表面データを観察したうえで、断面データの作成を開始している。今後は、より高解像度のデータを取得できる撮像プロトコールの改良を進める予定である。
|
Research Products
(6 results)