2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790197
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 貴司 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80415231)
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Keywords | 可視化 / 生体分子 / 生理学 / 蛋白質 / 神経・脳 |
Research Abstract |
ホルモン分泌反応は、分泌顆粒の輸送、細胞膜とのドッキング、開口放出準備段階、細胞膜との融合という4つの素過程からなる。近年、mRNAに転写されない多数のDNA配列がnon-cording RNA(ncRNA)として転写され、蛋白質発現制御に関与していると考えられている。中でもmiRNAは、標的mRNAに結合して遺伝子発現制御を行っている。しかしながら、ホルモン分泌の4つの素過程を制御する遺伝子及びそれら遺伝子の発現制御を行うmiRNAについては、未同定である。そこで本研究では、ホルモン分泌素過程を制御するmiRNA及び標的遺伝子を同定し、それらの生理機能の解析を試みた。 平成21年度は、まず蛍光タンパク質標識したホルモン分泌顆粒(インスリン-緑色蛍光タンパク質(インスリン-GFP))を恒常的に発現するホルモン分泌細胞(インスリンを分泌するMIN6細胞(インスリン-GFP恒常発現MIN6細胞株)の作製を試み、その樹立に成功した。そこで、この新規樹立細胞を用い、これまでにホルモン分泌素過程の制御への関与が示唆されている30種類のmiRNAに対する特異的な阻害塩基配列を作製し、分泌刺激時のホルモン分泌への影響を生細胞イメージング法により解析した。 解析の結果、これまでホルモン分泌との関与が示唆されていた2種類のmiRNA以外に、これまで全くホルモン分泌への関与が報告されていなかった1種類のmiRNAの存在が明らかになった。平成22年度は、これら3種類のmiRNAが4つのホルモン分泌反応の素過程のうちどの過程を阻害しているのかを明らかにすることを試みる予定である。
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