2009 Fiscal Year Annual Research Report
拍動心筋細胞におけるクロライドダイナミクスの生理的意義解明
Project/Area Number |
21790200
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 綾子 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378704)
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Keywords | 心筋細胞 / 包括的心筋細胞モデル / 細胞内Cl^-動態 |
Research Abstract |
本研究では、心筋における細胞内小器官を介したCl^-動態とその生理的意義を明らかにすることを目的とする。平成21年度は、心筋細胞の興奮・収縮・エネルギー代謝・細胞容積を同時に計算できる包括的心筋細胞モデルを用いて、虚血再灌流時における細胞内Na^+,Cl^-動態と細胞容積との相関を解析した。過去に報告された利尿薬の心筋保護効果について、Cl^-流入と膨化の抑制という新たなメカニズムをモデルから導き出し、学会発表した。また、包括的心筋細胞モデルの構成要素のひとつであるNa/Kポンプについて、電気生理学実験とモデル解析からその構造・活性相関を明らかにし、論文発表、学会発表した。この知見は、より正確な包括的心筋細胞モデル構築に有用なだけではなく、他の膜タンパク構造・活性相関解析にも応用できる。さらに、単離マウス心筋細胞を用いて、蛍光色素MQAEによる細胞内Cl^-動態測定法を確立した。単離マウス心筋細胞を用いた実験過程において、同細胞が小胞体Cl^-チャネルを発現しており細胞内イオンダイナミクスに寄与する可能性が判明した。そこで、文献検索から小胞体Cl^-チャネル遺伝子の候補としてCLIC2に着目し、遺伝子単離、発現解析、蛍光タンパクRFPとの融合タンパクの作成を行った。細胞内Cl^-動態をはじめとする心筋細胞機能におけるCLIC2の寄与を調べるためには、遺伝子導入が容易な培養細胞が必要である。このために培養心房筋細胞HL-1の安定培養系を確立した。
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