2010 Fiscal Year Annual Research Report
拍動心筋細胞におけるクロライドダイナミクスの生理的意義解明
Project/Area Number |
21790200
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 綾子 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378704)
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Keywords | 培養心房筋細胞HL-1 / 包括的心筋細胞モデル / 細胞内Cl^-動態 |
Research Abstract |
本研究では、心筋における細胞内小器官を介したCl^-動態とその生理的意義を明らかにすることを目的とする。平成22年度は、前年度に確立した拍動培養心房筋細胞HL-1を用いて解析を行った。細胞内小器官Cl^-チャネルの候補遺伝子であるCLIC2に蛍光タンパクRFPを融合したプラスミドをHL-1にトランスフェクションし、細胞内局在を調べたところ、CLIC-RFPは細胞質、筋小胞体、細胞膜に広く分布していた。しかし、CLIC2遺伝子を過剰発現させたHL-1細胞を用いて細胞内Ca^<2+>、Cl^-動態の測定を行ったところ、HL-1のCa^<2+>トランジエントの大きさやCl^-濃度に大きな変化は認められなかった。また、包括的心筋細胞モデルを用いて心筋細胞の機能発現における種々因子の寄与を解析するための効率的な手法について論文発表した。さらに、細胞内小器官のイオン動態と心筋細胞機能発現との相関をより正確に解析するために、包括的心筋細胞モデルの改良を行った。すなわち、心筋細胞の興奮・収縮・エネルギー代謝・細胞容積の計算に加え、細胞内pH調節に関与する構成要素を追加した。また、これまでの酸化的リン酸化を計算する簡易ミトコンドリアモデルを、TCAサイクルやミトコンドリア膜のイオン、基質輸送担体を含めたより詳細なミトコンドリアモデルへと発展させた。これを用いて、心筋細胞の興奮-収縮連関における細胞内小器官ミトコンドリアを介した調節機構についてコンピュータシミュレーションを行い、学会発表した。
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Research Products
(5 results)