2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外クロライドイオンによるENaC活性制御機構の解明
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21790210
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山田 敏樹 Fukuoka University, 学長付, 助教 (10453101)
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Keywords | Na^+輸送 / ENaC / 電気生理学 / クロライドイオン |
Research Abstract |
上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)を介した腎尿細管におけるNa^+再吸収は、体液恒常性の維持に重要であることが知られている。近年、Cl^-の生理的意義に関しての報告がなされるようになったが、ENaCが細胞内外のCl^-により制御ざれるが否かおよびその制御機構は未だ不明である。本研究は「ENaCを介したNa^+再吸収の細胞外Cl^-による制御機構」を明らかにすることを目的とし、細胞外Cl^-細胞外Cl^-濃度の低下によりENaCを含むラフト形成が抑制されENaC活性が低下ずるどいう仮説を立てこれを検証する。本年度は、ENaCの活性における細胞外Cl^-濃度の影響を単一チャネル電流記録法(セルアタッチドパッチクラシプ法)において調べた。ピペット内のCl^-濃度のみを低下させるとENaCの開持続時間は減少し、開口確率は低下することから、頂端膜側の細胞外Cl^-濃度の低下はENaCの活性を低下させることが示された。本研究により、ENaC活性の維持には細胞外Cl^-が重要な役割を担っていることが明らかになった。セルアタッチドパッチクランプ法における結果は、ENaC自身あるいはENaCの近傍にCl^-を感受する部位が存在し、ENaC活性を制御していることを示唆している。今後、Cl^-を感受する特異的な領域および感知機構が明らかになることで、ENaCを介したNa^+再吸収め制御機構のみならず、Cl^-によって制御させる細胞機能(細胞の成長、分裂、形態変化、運動、体積調節など)の解明にも新たな展開をもたらすこととなる。
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