2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規破骨細胞分化メカニズムーカルシウムオシレーション非依存的メカニズムーの解明
Project/Area Number |
21790220
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
黒田 有希子 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生神経生物研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70455343)
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Keywords | 骨 / 破骨細胞 / 分化 / イノシトール3リン酸 (IP3) / IRBIT |
Research Abstract |
本年度は、申請者が所属する研究室においてIP_3の擬似体とも言えるIRBITのノックアウトマウスが作製されたので、このノックアウトマウスを用いた破骨細胞の研究を主に行なった。申請者は、自身の今までの研究から、生体内の破骨細胞分化には「カルシウムオシレーションに関わる因子であり、かつPLCの下流でIP_3Rの上流に位置する分子」が重要な役割を担っていると考えている。そこで、IP_3Rの結合因子であり、かつカルシウムシグナルに影響を及ぼすIRBITの役割を解明することは破骨細胞分化メカニズムの全貌を解明する糸口になると考え、まずIRBITノックアウトマウスの解析に取り組んだ。 ノックアウトマウスの骨組織の詳細な解析については、マウスのバッククロスに時間がかかり、まだ結果が得られていないが、IRBITノックアウトマウス由来の細胞を用いた実験結果では、破骨細胞の分化が亢進することを発見した。培養細胞を用いた実験において、IRBITをノックダウンするとカルシウムシグナルが亢進することが報告されていることから、IRBITノックアウトマウスでもカルシウムシグナルの亢進が破骨細胞分化を促進しているのではないかと考えたが、破骨細胞分化誘導時に見られるカルシウムオシレーションに関しては、今の所大きな違いは見られていない。このことから、IRBITがカルシウムシグナル以外にも重要な働きを担っていると考え、現在、IRBITノックアウトマウスの詳細解析を進めている,また、「IP_3 sensor-IRIS」を用いたIP_3の可視化に関しては、sensorの導入等の条件検討がなかなか進まず、現在も検討中である。
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