2010 Fiscal Year Annual Research Report
多色蛍光蛋白遺伝子導入ラットの神経内分泌系でのストレス反応の可視化と生理機能解明
Project/Area Number |
21790232
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 広明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10369051)
|
Keywords | トランスジェニック / ラット / RFP / ストレス |
Research Abstract |
本年度はc-fos-monomeric Red Fluorescent Protein (mRFP)トランスジェニック(Tg)ラットをオキシトシン(OXT)-enhanced Cyan Fluorescent Protein (eCFP) Tgラットと交配することによりダブルTgラットを作成し、研究に使用する計画であったが、OXT-eCFP TgラットにおけるeCFPの発現が個体によって安定せず実験に使用できなかったため、代わりにOXT-mRFP Tgラットを作成し、浸透圧刺激に対する視床下部のOXTおよびmRFP発現動態を検討した。OXT-mRFP Tgラットに5日間の2%高張食塩水飲水負荷を行い、灌流固定を行った。脳を採取後、薄切切片を作成し、蛍光顕微鏡を用いてmRFP蛍光の観察を行った。また、in situ hybridization法にて、mRFP mRNA、OXT mRNAおよびアルギニンバゾプレッシン(AVP) mRNAの評価を行った。体幹血を採取し、血漿浸透圧、血中ナトリウム濃度、血中OXT濃度、血中AVP濃度を測定した。コントロール群には水道水飲水群を用いた。その結果、2%高張食塩水飲水負荷群ではコントロール群と比してOXT産生細胞が存在する視索上核および室傍核においてmRFPの赤色蛍光およびmRNAが著明に増加した。OXT mRNAおよびAVP mRNAも著明に増加し野生型ラットと同様の変化を示すことが明らかとなった。血漿浸透圧、血中ナトリウム濃度、血中OXT濃度、血中AVP濃度も野生型ラットと同様の変化を示し、mRFPの発現が生体の浸透圧刺激に対する反応に影響を及ぼさないことが示唆された。以上より、赤色蛍光(OXTニューロン)を指標として神経内分泌系(下垂体後葉系)のストレス反応(浸透圧負荷)の可視化に成功した。
|
Research Products
(4 results)