2010 Fiscal Year Annual Research Report
局所脳梗塞回復期における健常半球の機能代償および回路再編の解明
Project/Area Number |
21790233
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高鶴 裕介 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30446265)
|
Keywords | 2光子顕微鏡 / 脳梗塞 / In vivo imaging / In vivo microdialysis / In vivo電気生理記録 / 体性感覚 |
Research Abstract |
脳梗塞による機能不全からの回復において、非障害領域の働きによる機能代償は重要であると考えられる。この過程において、病巣近傍の生き残った領域(ペナンブラ)による代償はもちろんのこと、健常半球の働きも重要であることは良く知られている(Crosson et al., Neuropsychol. Rev., 2007)。しかしながら、活動領域の変化をもたらす基盤メカニズムである神経回路自体の再編成については、いまだ全く研究されていない。申請者はこれまでの研究で、2光子励起レーザー顕微鏡をもちいたIn vovo imagingと電気生理学的実験を中心とした機能評価実験とを組み合わせることにより、マウス大脳皮質体性感覚野において、障害領域の対側半球において、神経回路再編を伴う機能代償が起こっている可能性があることを明らかにしている(Takatsuru et al., J. Neurosci., 2009)。そこで本研究課題では、脳梗塞後の機能回復における、障害領域に対応する健常半球領域の機能再構築に関して、回路レベルでの詳細な検討を行うことを目標としている。体性感覚野破壊においては、神経回路再編成が活発に起こる時期が脳梗塞後2-7日目であることが観察された。また、この時期に作られたシナプスはそれ以外の時期に作られたシナプスよりも安定して存在していることがわかった。脳梗塞後の機能回復は梗塞後2-7日目で起こるが、電気生理学的所見では、この時期において(a)新規回路からの入力(通常利用していない左末梢→左皮質の回路)が有意に増加していた。(b)しかしながら、一つ一つの応答は小さくなっていた。ことがわかった。In vivo microdialysisの結果から、脳梗塞からの機能回復期(2-7日目)において(a)グルタミンの増加(b)グリシンの増加、があることがわかった。このことから、神経回路再編成においてはグリア細胞の働きやNMDA受容体の働きが重要である可能性が示唆された。
|
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Contribution of contralateral hemisphere on functional recovery from focal infarction in somatosensory cortex.2010
Author(s)
Takatsuru, Y., Fukumoto, D., Yoshitomo, M., Nemoto, T., Tsukada, H., Koibuchi, N.Nabekura, J.
Organizer
7^<th> FENS
Place of Presentation
アムステルダム(オランダ)
Year and Date
2010-07-06