2010 Fiscal Year Annual Research Report
性周期形成のメカニズムにおけるGABA興奮性作用の役割
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21790234
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡部 美穂 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 助教 (10399321)
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Keywords | GnRH / GABA / KCC2 / 性周期 |
Research Abstract |
脳による生殖内分泌調節の最終共通路は視床下部に存在する生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンである。成熟動物においてもGABAが興奮性に作用するというGnRHニュ「ロンに特有な性質に注目し、GnRHニューロンで時期特異的可逆的にGABA入力を興奮性から抑制性に操作することができる遺伝子改変マウスの作出をTet-offシステムを用いて行った(GnRH-tTA/KCC2-tetOマウス)。このマウスではGnRHニューロンでドキシサイクリン依存性に、GABA入力を抑制性にする分子であるカリウムークロライド共役担体(KCC2)を発現誘導することができた。KCC2を発現誘導させるとGABAの平衡電位の過分極側へのシフトがみられたことから、発現誘導されたKCC2は機能していることが確認できた。このマウスを用いて生殖機能におけるGABA興奮性入力の役割を調べるために、交配テストを行った。GnRH-tTA/KCC2-tetO雌マウスをドキシサイクリン投与下で、GnRHニューロンでGABA入力が興奮性のまま育て、2~3ヶ月齢になった時にドキシサイクリンの投与を中止し、GnRHニューロンへのGABA入力を抑制性に変化させた。このマウスとwild雄マウスを同じケージにいれ、4ヶ月間観察を行った。その結果、GnRHニューロンでKCC2を過剰発現させることによりGABA入力を抑制性にしたGnRH-tTA/KCC2-tetO雌マウスでは、妊娠がみられないことがわかった。よって、生殖機能にはGABAの興奮性入力が重要な役割を持つことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)